手術の流れ

妊娠中絶手術について

妊娠中絶手術について

当院では、妊娠11週6日目までの初期中絶手術を行っています。12週以降になると人工的に陣痛を起こす処置などを含めた手術を行うため、入院が必要になりますし、お身体への負担も大きくなってしまいます。
妊娠の週数は最後の月経から数えますから、生理が遅れていることに気付いた時点ですでに5週以降になっています。妊娠中絶手術は早めに受けるほうが出血を抑えることができますし、回復も早いなどお身体への負担が軽く済みます。

ただし、子宮外妊娠など正常な妊娠ではない場合には、妊娠を中絶させるだけでなく、早急に的確な治療が必要になります。そのため、6週に入って子宮に胎児が確認できることが妊娠中絶手術の必要条件になっています。
また、6週以前の場合は自然に流産する可能性もあるため、不必要な手術を避ける意味でも手術を行いません。ただし、スケジュール調整なども考慮して、「もしかしたら」と感じたらできるだけ早めにご相談くださるようおすすめしています。

ご注意いただきたいのは、市販の妊娠検査薬では偽陽性が出ることがありますし、検査タイミングが早すぎて陰性になってしまうこともあるということです。重要なのは、慌てて決めてしまうのではなく、状態をしっかり把握してから納得できる結論を出すことです。
当院では患者さまの選択をあくまでも尊重しており、「こうした方がいい」といったアドバイスは行っていませんが、親身にお話をうかがって医学的に正しい情報や必要な手続きについて詳しくお伝えしています。どうするか決める前でも、気兼ねなくご来院ください。

手術の種類

当院では、院長が長年経験してきた掻把術による妊娠中絶手術を行っています。麻酔も数多くの経験を積んできた方法を用い、出産経験の有無、妊娠週数、基礎疾患や既往症などのリスクを考慮しながら、より安全性の高いものを使用しています。

手術体制について

これまで手術や麻酔で問題が起きたことはありませんが、1日おひとりだけの手術に限定することで手術の質を高め、手術後の経過もしっかり観察できるようにしています。

手術器具について

手術で使用する器具に関しては、丁寧に洗浄した上でオートクレーブを用いて徹底的に殺菌・消毒したものだけを用いています。

事前検査について

事前検査について

まずは妊娠しているかどうかをしっかり調べます。その上で正常な妊娠かどうか、そして子宮の状態を超音波検査で確かめます。
妊娠中絶手術を行う前の事前検査では、血液検査を行います。出血に係わる凝固、貧血、血液型(ABO式とRh式)、麻酔に係わる代謝の状態を把握するための肝機能や腎機能もチェックします。
また、B型肝炎、C型肝炎、梅毒の感染チェックも行います。こうした検査によって、より安全性の高い手術を実現しています。

同意書について

母体保護法により定められた同意書と、手術に関する同意書の2通に、ご本人とパートナーの方のご署名をいただいています。ご本人やパートナーが未成年者の場合には、保護者のご署名も必要です。
ご本人とパートナーの両方が未成年者の場合は、合計4名の署名が必要になります。基本的に手術前に提出いただきますが、手術前日に事前処置を行う場合には、その際に提出いただいています。

手術の流れ

当院は予約優先の診療を行っています。待ち時間をできるだけ短くしたい場合には、ご予約をお願いしています。

初診

妊娠の有無、妊娠の状態を調べます。超音波検査を行いますが、正常な妊娠かどうかを確かめるものであり、保険診療ですから費用は3,000~4,000円程度です。
妊娠中絶手術を受ける場合には、手術日スケジュールのご相談、必要な手続きなどの説明、手術前日からその後の注意点などについてもわかりやすくお伝えしています。また、手術前日から当日にかけての注意点や、当日にご持参いただくものなどについて記した文書や手術前に提出いただく同意書もお渡ししています。初診日に術前検査まで行うことも可能です。
なお、術前検査は10,000円(税抜き)、妊娠中絶手術は翌日の診察を含め、110,000円(税抜き)です。

迷われている場合には、妊娠や手術に関する情報をお伝えした上でお話をじっくりうかがっています。重要な選択ですから、納得できる結論が出るまで親身になって全力でサポートいたしますので、何でもお尋ねください。

手術前日

夜10時以降は絶飲食となります。手術の際、胃の中に飲食物があると、無意識に嘔吐して窒息や誤嚥などで危険な状態になる可能性があるためです。絶飲食は必ずお守りください。

  • 妊娠週数の進んだ方
    子宮頚管が傷付かないよう、前日にラミナリア等挿入などの前処置が必要になることがあります。安全性を高めるために、出産経験がない方や妊娠週数の進んだ方に行います。
    特に、将来の妊娠・出産を考えている方にはおすすめしています。この前処置には、別途10,000円(税抜き)がかかります。

手術当日

前日夜から絶飲食のまま、診療開始時間の30分ほど前にご来院ください。

  • お持ちいただくもの
    ・生理用ショーツ 1枚
    ・ナイト用ナプキン 3~4枚

手術終了後

静脈麻酔を点滴します。全身麻酔ですから、手術中の痛みはありません。
手術自体の所要時間は10~20分です。手術が終了したら、個室のリカバリールームでお休みいただきます。そのとき、スタッフや医師が様子をこまめにチェックして、状態を確認します。
午前中の診療が終了し、待合室が無人になったらご帰宅となります。ご自分で運転してのご帰宅はできませんので、ご家族の送迎かタクシーなどをご利用ください。

当日夜

ご帰宅されたら、安静にお過ごしください。強い腹痛がおさまらない、38℃以上の発熱などがあった場合には、お渡しした緊急連絡際にご連絡ください。
痛みはお渡しした痛み止めの内服で、ほとんどの場合コントロールできます。痛みに弱い方はあらかじめご相談いただければ、痛み止めの坐薬などをお出しすることもできます。

翌日

遺残や感染の有無確認、出血や子宮の状態を確かめます。必ず受診してください。翌日の診療は手術代に含まれています。なお、デスクワークなど軽い事務仕事であれば、翌日にお仕事復帰も可能です。

10日~2週間後

子宮収縮の程度、子宮内膜や卵巣の状態を確かめます。別途、1,500円(税抜き)がかかります。
※将来のリスクや不安を軽減するためにも、翌日と10日~2週間後の2回は、必ず受診してください。

注意事項

手術後、ご自分で車などを運転してご帰宅することはできません。ご来院の際にもご家族の送迎かタクシーを利用していらしてください。
ご帰宅してからは安静を保ってください。入浴や運動などで血流が促進すると、出血量が増えてしまい危険です。無理をせずにリラックスしてお過ごしください。
次の生理が来るまで少量の出血が続くことがありますが、ほかに症状がなければ様子をみてください。発熱や腹痛を伴う場合や、出血量が増えてきた場合には早めにいらしてください。また、ご不安がありましたらお気軽にいらしてください。

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